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ゆめにっき レビュー

※ネタバレ注意


フリーソフトゲーム、アルツク2003で動く
『ゆめにっき』をプレイしてみました。

過去に『LSD』というゲームをやっていたのですが、
大まかな概要としてはたぶんその分類に当てはまります。


1.ストーリー性はない?
というよりプレイヤー自らがストーリーを想像して
それぞれがストーリーを創造していくジャンルではないかと思う。
(ダジャレではない。断じて

想像しやすいように色々な要素を適当に散りばめて
作った感もないこともないが、
それであっても配置がうまく出来過ぎている感じもする。

何かにそって作られた物語であるなら、
それはまさしく『夢』を参考にしたのかもしれない。


2.個人的に思うストーリー
ということで個人的に思ったストーリーは、
『自殺前に見る最後の夢』かなと。

最初、現実だと思われるベランダには
【自殺用の台座】は存在しない。
本人こと『窓付き』は大体寝ているため設置する時間はない。
家族がいたとしても、窓付きが部屋から出ようとしても
首を振って嫌がるように、引きこもるほどの精神状態にあるのなら、
普通、親がいたとしてもその部屋に入ることは
とてもじゃないがありえない。
そして親が台座を置く意味も相当ありえない。


ならば、『台座は初めからそこにあった』のではないだろうか?


ゲームスタート時に見えないのは、台座に意識していない状態で、
そこにあっても見えていなかったのかもしれない。

夢の世界でも、エフェクトという力を使う = 見方を変える ことにより、
様々なイベントが発生する。
現実世界では、スタート時には台座が見えなかった。
脳がまだその台座を見ることを拒否していたのではないだろうか。

見えるようになるのは、『見方を変えるエフェクトをすべて捨てる』その後である。
つまり、『何も変えずに真実を見る』ということにならないだろうか。

そして、真実として見えたのが、あの台座だったのだろうか。


または、エフェクトはすなわち、未来自分がなりたい『夢』か。
エフェクトを捨てると『卵』になるが、
あれはまさに窓付きがなりたかった『夢の始まりを現す卵』ではないだろうか。
医者の卵や先生の卵、アスリートの卵 と表現するように、
夢そのものだったのではないだろうか。
自分の『夢の中』でなら、『夢だった自分』になれる。



だが、ゆめにっきを付けていた窓付きは、それが『夢の中』だと知っている。



『夢の中』で『夢だった自分』になったところで、
現実は何も変わらない。
だから、扉の部屋の前で卵に戻して = 夢を夢のままにして、
現実に帰ってくるのではないだろうか。

なれっこない夢だと実感していたから。

エフェクトに辿りつくにはそれなりの努力がいる。
夢の中でなら努力できる自信が窓付きにはあるけど、
現実ではそんな努力をすることができないと思っていたのではないだろうか。

現実に戻った窓付きは、『夢の中』の『夢だった自分』との決別を決意し……。







  そして、現実世界の【台座】に足をかけた。




2.夢の中の人物
すでに様々な所に上がっている通り、
夢の中には人であると思われる人物が、少なくとも存在する。
それぞれについて考察していく。


・セコム先生
正式名称は忘れた。
センチメンタル小室なんたらしか覚えてない。

あれは、自分の夢ではないけれど、
夢を叶えた誰かではないだろうか。
宇宙に飛び立つのは壮大な夢である。
窓付きから見たら、それは想像もできない世界だろう。
たとえば芸能人や一流のアーティストをテレビなどで見て、
それに感銘を受けた窓付きがその印象を、
夢の中で『宇宙船に乗る音楽家の旅人』として
イメージしたのではないだろうか。


そして低確率で起こる事故が持つ意味。


夢を達成する間に、トラブルというものはつきものだ。
セコム先生の宇宙船は低確率で事故が起きて、
火星(と思われる星)に不時着する。
不時着した火星で見たものは、とても悲しい音楽と、
涙を流したように見える火星人。

それはまるで、事故を起こし、夢を失った瞬間のようである。

このイベント、というか宇宙船に入った瞬間からは、
自力で元の世界に戻ることは不可能である。
エフェクトの★めだまうで★や、夢から覚める動作をしないと
抜け出せない。

それは、取り返しのつかないリスクを暗示しているのではないだろうか。

そんなイベントも、窓付きに夢を捨てさせる
現実の厳しさの具現化なのかもしれない。(夢の中で具現化と言ってもいいものか…。


もしかしたらセコム先生は、この考察のように
夢を追いかけていたアーティストか何かで、
途中事故を起こして、アーティストとして復帰不可能に
なったのではないだろうか。

火星人が足だけ(?)なのは、もしかしたらそれ以外の部位に
何か異常が起こったことを示しているのではないだろうか。

火星人は★ほうちょう★で刺して傷口が残る唯一のキャラだが、
それもまさに『事故による消えない傷』の現れなのかもしれない。


ちなみに火星人の前にあるのは汽車だろうか?よくわからない。
汽車だとしたら汽車か列車、電車にはねられたなんて事故かもしれない。
宇宙船=車で、踏切でエンジンが止まって、
そのまま電車に突撃されたとか…。

セコム先生が★ほうちょう★を見て逃げるのは、
極度に傷つきたくない性格なのかもしれない。
すくなくとも窓付きにはそう見えているのだろう。




・ポニ子
湖と氷(鏡?)の床、そして風船というイメージとしては
明るい世界に住むポニ子。
まるでお城のような外見の家と周りのオブジェだが、
中に入るとこじんまりとした可愛い部屋に、彼女はいる。

一見夢の世界の中では一番平和に見える空間。
窓付きも明るいイメージの風船を追っていき、
やっとのことで彼女の前へとたどり着く。

何の生物もいない世界の中、一人だけいるポニ子。
そしてお城のような外見の家からも想像するに、
窓付きにとっては『お姫様』のような存在だったのかもしれない。


そして、電気を消すことにより豹変する、
ゆめにっきを知る人なら忘れることはないであろうことが起きる。


電気を消すと、明るく温かい曲から、
不思議さと優しさを兼ね備えた、夜のような曲に変わる。
電気を消しても、いつまでも『お姫様』は『お姫様』だ。
窓付きはそう思っていた。
どんなに世界が変わろうとも、彼女だけは輝いているかのようだ。
変わらずお姫様で、もしかしたら憧れさえ抱いているかもしれない。

どんな人にも裏の顔があると思っていた窓付きなのに、
この子だけは変わらない。

そして夜は何度も訪れる。
夜が訪れるたびに、窓付きは彼女を見ていた。



『そんなはずはない』



…これはプレイヤーが電気を消すことができると
思った時に、同じことを考えたのではないだろうか。

窓付きは何度も彼女を試した。
夜=暗いこと、嫌なこと を何度も試したのかもしれない。



そして、彼女の仮面が外れることになるのだ。
そこにいたのは『ウボァ』と呼ばれる怪物だった。
試していた窓付きも、突然すぎてその迫力に圧倒された。
そして彼女の内面に触れる。
彼女の見える世界。
それは無限に広がる白と黒と赤の世界。
彼女の内面は、歪な循環を繰り返す、誰もいない世界だったのだ。


これは、窓付きが考えた『彼女という理想の崩壊』=『夢だった理想の友達』が
崩壊した瞬間でもあるだろう。
自分で試して崩壊させたことを、窓付き自身も後悔しているだろう。
それはその世界から抜け出すには★めだまうで★か頬をつねって
現実世界に戻るしか方法がないように、
一旦彼女の内面に触れてしまったら取り返しがつかないことを
表している。



・モノ子&モノ江
白黒世界に住む二人。
服装的には小学生か中学生ぐらいだろう。
二人ともトンネルの中にいる。


基本的に『白黒の夢】は「身体的なもの、深層心理からくるような夢」である。
つまり窓付きにとってはそれが深層心理に
とても近い世界であると予測する。
別の言い方をすれば、「忘れそうになっている記憶」や
「時間経過によって薄らいだ記憶」、あるいは
「興味のあまりない記憶」なのかもしれない。

確かに白黒と言われると、古いイメージを思わせる。
その主な理由が『白黒テレビ』なのだが、
しかしそうなると窓付きが何歳で、そして現在がいつの時代の
設定なのかが謎になる。
つまり『古い記憶』はありえない。
ならば「忘れそうになっている記憶」なのだろう。
忘れたくて忘れそうなのか、またはショックにより忘れそうになっているのかは
定かではない。おそらく後者、ショックによるものだと思う。

理由としては、『モノ子が赤信号により歪化する』ところだ。
目から涙(または血)、口からよだれ(または血)、
腕が左の肩付近から2本、右1本と腕の関節付近からもう1本、
頭に手首が1本。

その歪な姿と、赤信号を並べると、どうしても『事故』にしか見えない。
腕が『増えている』ととらえている窓付きだが、
実際には『ばらばらになった』のではないだろうか。
(車の事故により人の体がどの程度ばらばらになるのかは知らない)

あのシーンで音楽が恐怖を与えるものではなく、
無理に明るくリズミカルな曲になっているのも、
窓付きがショックで忘れようとしている際の
記憶の補填が発生しているのではないだろうか。

(そういえば★しんごう★を取ったのは
 路上で死んだ人を調べたときか)



一方、モノ江はループ状のトンネルの中にいる。
左から行けばモノ江、右から行けば生首(男と女)がある。
明るいとまでは言えないが、モノ江に話しかけると笑顔だ。
そして、話しかけるといつの間にか目の前から
いなくなっている。
でも必ずどこかにいて、また話すとまた消える。
それは彼女の神出鬼没さと気まぐれさを表しているのだろうか。
『なぜループ状のトンネルの左から行けばモノ江に会えるのか』が
なかなか見いだせないが、おそらく生首とモノ江は
二つで一つのストーリーを表しているのだろう。

生首のほうは、まず遠くのほうで火柱が立っている。
そして、地中に埋められた巨大な手と足。
そして最後に建物内に入ると生首が飛んでくる。

モノ江の不気味な笑みと重ね合わせると、何かとんでもない
想像がついてしまう。


モノ江が両親の首をはねた後⇒地中に埋めて、
⇒証拠隠滅のため家を放火 

という図式がないわけでもない。
モノ江だけが歪な姿、あるいは生首になっていないところを見ると、
『彼女だけが生き残った』ようなイメージがある。

まるでへたくそな感じの白黒の絵の世界も、
彼女が描きあげたのではないだろうか。




・かまくら子
ずっとかまくらの中で寝ているかまくら子。
ストーリーがほぼ不明。
周りのものから察するに、★ゆきおんな★がいるということは
眠ったまま死んだのではないかとも思えなくもない。
ただ単に北国出身であるというのも捨てきれないが…。

彼女はこちらから何かアクションを起こしても
まったく気付かない。★ほうちょう★で刺すと死ぬことは死ぬ。

これらのかまくらの中からポニ子の世界へと通じるものがあるため、
もしかしたらかまくら子がポニ子を窓付きへ紹介したのかもしれない。
つまりかまくら子とポニ子は友達。
寝るのが大好きな友達とお姫様の友達?
ということはつまりかまくら子は最初から窓付きの友達となる。たぶん。




・マフラー子
透明姿でマフラーだけ見える子。
★しんごう★で停止させると姿が見える。

姿が見えないのは、つまり彼女が影の薄い存在であると
思っているのではないだろうか。
停止させて姿が見えても、顔が判別できないほど
前髪が目の前にかかっている。
こういう髪型をしているキャラは大体が内気で奥手である(個人的主張
しかし、彼女は色々なところへ一緒になって連れて行ってくれる
1回目のワープでついてくるので。そう思った。
ただ、連れて行った先で話しかけると、今度はワープ先に
マフラー子はいない。
帰りは一緒じゃない = 家が反対方向 なんだろう。
ちなみに白黒世界へとワープできる門の前までワープしてくれるところを見えると、
マフラー子はモノ子とモノ江の友達である可能性がある。
これはかまくら子と同様の理由である。

または、マフラー子がそのショックで忘れようとしている二人を
思い出させるきっかけなのではないだろうか。



・鳥人間
怒ると怖い。触れられると移動不可能な場所に飛ばされる。
唯一あの世界での敵キャラクターと思われるもの。

3種類いるが、まぁ、そのまんま鳥料理が嫌いなんだろう。
またはカラスに襲われたことがあるとか、
動物園でひどい目にあったとか、色々だろう。
とにかく夢に出てきて狂喜乱舞で追っかけまわされるほど
嫌いなのだろう。




以上、かな?
人型をしたキャラクターはたぶんこのぐらい。






3.なぜ自殺前に夢を見ようとしたのか
せめて夢の中では、自分の夢の姿になりたいと思ったのではないだろうか。
そして、自分の友達とも仲良くできるのではと思ったのでは
ないだろうか。

しかし、夢の中で夢はかなっても、友達たちは
現実と変わらず、夢を失ったり、豹変したり、不気味な笑みを浮かべたり、
歪な形になったり、ずっと寝ていたり、一緒に行っても
帰りは違ったりしている。

そして、最後の救いだった夢の中の生活をあきらめたのではないだろうか。
『ゆめにっき』を書こうと思ったのも、
夢の中でなら楽しい日記を作れるのではないかと
思ったからではないだろうか。


夢(エフェクト)を捨てる⇒自殺 の図式が成り立つための理由に、
それ以外思い至らない。



4.Another Story
夢(エフェクト)を捨てた後、自分の部屋の扉から
外の世界へと向かっていたとしたら、
夢で遊ぶのはもう終わりにして、現実でもがんばろうと
思い至った……というようなストーリーなら
ハッピーエンドだったのかもしれない。

しかしその場合、本当にハッピーエンドになるかどうか…。
すでに夢の中の人物を考察した通り、
その考察が正しければ、ポニ子を崩壊させ内面を引き出した状態のまま、
殺人娘が現れたり消えたりしながら、
眠ったままだったりいつも影が薄い友達しかいない、
そして寝れば必ずあの歪な夢を見る。

その人間関係が解決できないことは、
夢で体験した通り明らかである。

そう思えば、考察以前にあの夢の世界で窓付きが
救われた場面など、どこにもなかったようだ。

夢が現実の生き写しと呼べるのであるなら、
夢も現実もそう違いはない。窓付きはそれに気付いたのだ。
『ゆめにっき』には楽しい思い出を書きつづる予定だっただろうに…。


その『ゆめにっき』は、ある意味『遺書』なのかもしれない。
最後に自分の記憶を走馬灯のように、ゆめにっきに書き続けたのかもしれない。
エフェクトがすべてそろった = 記憶のすべてを書き終わった と考えたら、
遺書は完成し、台座から飛び降りる準備ができたのではないだろうか。

記憶だけではないだろう。
各扉に人物ではない生物がいたのは、
『この世界にはこんなやつがいるかもしれない』
『この世界にはこんなやつがいるに違いない』
という、思い込みから作り出された生物もいるだろう。

そこから『扉の先に対する恐怖』が全体的にうかがえる。
夢の中では扉を開けることができたが、
あんなに怖い場所や不気味な場所を見せられては、
現実世界の扉も開ける気力や勇気さえなくすだろう。

夢の世界でなら…と思った行動が、逆に現実世界の
自分が『扉の外へ出る』という意欲を削り取ったんだろう。





5.まとめ
本当はマップごとに考察を全部書きたかったが、
どうにもまとまりそうにないので、今の状態でまとめることにする

 ・自殺前に見る最後の夢
 ・人物は全員、窓付きの関連人物(あるいは記憶に強く残った人物)
 ・『ゆめにっき』は『記憶(走馬灯)を書きつづった遺書』
 ・扉に対する恐怖は結局拭えなかった




6.感想
個人的には100点満点中100点。
LSDと違ってクリア条件がものすごくはっきりしていたし、
画像や音楽も一人で作ったとは思えない、
ピカソもびっくりの芸術作品ばかりだった。
世界構成もそれぞれ凝っており、
粗を見つけることは一切出来なかった。(Ver0.10時点)
主人公である窓付きの素性を完全に語らないところや、
夢の世界の雰囲気だけでストーリーをプレイヤーに引き出させる誘導も、
極めて巧妙。
オブジェ配置も絶妙で、何かを見つけられたときは
かなりの喜びがある。達成感というものを知っているのだろう。

そしてなによりも、あの世界観の中で、
プレイヤーに窓付きへの愛着を湧かせ、
最後に自殺させるというショッキングなエンディングは
このゲーム以外では見たことがない。
プレイヤーの心に揺さぶりをかけるゲームはそうそう作れない。

意味不明なゲームは本当に意味不明だったりするし、
ストーリー重視のゲームが結局中途半端なストーリーだったりする。
その中で、このゲームは
『意味不明という言葉では片づけられない意味深さ』
を秘めている。

この生物は現実世界ではこうなのかもしれない、とか、
この場所は現実世界では……と
想像を掻き立てさせてくれる、とても楽しいゲームだった。


自分の勝手なジャンル分類の中にこの『ゆめにっき』を位置づけするなら、
これは【人生について考えさせられるゲーム】の分類だろう。
このジャンルの作品で行くと、
・LSD
・白詰草話
ぐらいだろうか。本当に希少だ。



これからこのゲームの上を行くゲームとは、たぶん遭遇しないことだろう。
この出会いに感謝。
作者であるききやま氏に感謝。
そして『ゆめにっき』の実況プレイをYoutubeに上げていたために
私にその存在を教えてくれたサンヘルプ(sunhelp322)氏に感謝。



7.その他
気になる方はフリーソフトなので、こちらからダウンロードでも。
http://www3.nns.ne.jp/pri/tk-mto/


あと、それらしい動画です。
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